愛情をもたないサイコパス

そもそも良心や善意というものは、突き詰めれば愛情という感情を持っているからこそ生まれてくるものです。

恋人や家族、友人については言うまでもありませんが、私たちはテレビの中の他人、時には架空の物語の中の人物にさえ愛情を持つことがあります。

だからこそ、不必要に他人を傷つけたくないと考えるし、仮に傷つけてしまったと感じた時には罪悪感を持つわけです。

しかし、サイコパスはこの愛情そのものを持っていません。

持っているのは執着のみ

世間的にはどんなに悪人だと思われている人間でも、その人物がサイコパスでなければ、多少の愛情は持ち合わせていると思います。

例えばマフィアのボスが平気で人を殺しても自分の息子だけは溺愛したり、社員を奴隷のように扱う悪徳経営者が自分のペットだけは異常にかわいがったりするのも、心のどこかに愛情があるからです。

悪人は愛情を持っていないわけではなく、愛情の対象となる範囲が極端に狭かったり、形が歪んでいたりするだけです。

これに対してサイコパスは、誰かを愛したりすることはありません。

自分の恋人も伴侶も、そして子供やペットも、サイコパスにとってはせいぜいアクセサリーや時計、車というような「物」と同じくらいの意味しか無いのです。

サイコパスにとって、他人はモノと同じ

誰かに傷つけられたり奪われたりすれば、自分の所有物を侵害されたという怒りを感じることはありますが、心から同情したり悲しんだりすることはありません。

だからサイコパスは、相手に「利用価値」が無いと判断すると、何のためらいも無く人間関係を放棄します。

例えば容姿に惹かれて交際している相手の外見が少しでも変わった途端に全く見向きもしなくなったり、自分の生活を支えてくれていた家族や恋人が金銭的な援助をしなくなると、あっさりと姿を消して二度と姿を表さなかったりするという具合です。

サイコパスに執着はあっても、愛着や愛情はないのです。

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