サイコパスは悪人か?
良心を持たずに行動するというと、サイコパス=悪人という印象を受けるかもしれません。
確かに背筋が寒くなるような凶悪犯罪を犯す人物の中にサイコパスが含まれていることが少なくないのは事実ですが、いわゆる「悪人」とサイコパスは必ずしもイコールではありません。
行動パターンの違い
悪人とは何かを厳密に決めることは難しいですが、ごく一般的に考えれば反社会的な行動、つまり人に害となる行動を繰り返す人と考えることができます。
分かりやすいイメージとしてはお金で人を殺す殺し屋、賄賂を受け取ることを目的に権力を拡大する政治家のような存在です。
しかし、悪人が絶対に良心を持たないかと言えば、そんなことはありません。
「善良な」人に比べると機会が少なかったり対象が偏っていたりするかも知れませんが、仲間同士でかばいあったりすることはありますし、彼らなりの正義感や罪悪感を感じることもあります。
これに対して、サイコパスは良心や愛情というものを根本的に持ち合わせていません。
善人を含む普通の人と悪人、そしてサイコパスの性質を分かりやすくまとめると以下のような感じです。
善人、普通の人
欲望をアクセル、それを自制する良心をブレーキとすれば、一般の人々はその両方が正常に機能している車と言えるでしょう。
事故を起こす確率がゼロではありませんが、滅多にコントロールを失うことはありません。
悪人
サイコパスではない”普通の悪人”は、アクセルに対してブレーキが弱すぎたり、ブレーキが故障している、あるいはアクセルをコントロールすることが出来ないという性質を持っています。
そのため事故を起こす確率がとても高く、危険な存在となるのです。
ただし、適切な修理や整備を行う事で、状態が改善される場合もあります。
サイコパス
サイコパスにはアクセルだけが付いていて、ブレーキは存在しません。
だからわずかにでもアクセルが踏まれていれば、言い変えれば動機があれば、ためらうことなく他人の車や家に突っ込みます。
根本的な性質の違い
以上のように、サイコパスかどうかということは、その人物の言動がどうかというよりは、根本的に持っている性質の問題と捉えることができます。
だから結果的には同じ「犯罪者」として裁かれる場合でも、対象者がサイコパスである場合とそうでない場合では、その更生の可能性には大きな違いがあるのです。
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