生まれながらの悪魔?

宗教的、超自然的な考え方を別にすれば、人間の性質を決める要因は大きく二つあります。

一つは遺伝的要因、つまり人間の設計図とも言うべきDNAに刻まれている生まれながらの性質。

そしてもう一つが環境要因、これはその人がどんな生きをしてきたかという後天的な部分です。

この二つのうち、まずは遺伝子とサイコパスの関係をまとめてみましょう。

サイコパスと遺伝率

人間が持つ性格や能力がどれくらい遺伝子の影響を受けるかという事を表すために、最もわかりやすいのが「遺伝率」という数値です。

これは遺伝子が全く同じ人間、つまり一卵性双生児が、どれくらい高い割合で同じ性格や能力を持っているかということを統計的に計算したものです。

例えば短距離走の能力というように肉体的な能力は遺伝率が高く、逆に計算速度のような学習によって身につく能力は遺伝率が低い事が分かっています。

テキサスの里親プロジェクトが行った調査の結果によると、サイコパスが持つ共通の性質の遺伝率は58%。これは、遺伝率としてはかなり高い数値になります。

人がサイコパスになる仕組みについて完全に解明されているわけではありませんが、少なくともその要因の半分程度は遺伝子に支配さえていると言えそうです。

サイコパスの誕生には、遺伝的な要因が強く関わっている

サイコパスの脳

「診断名サイコパス」で紹介されていたエピソードによると、言語活動を行っているサイコパスの脳波(脳電図によるもの)は、普通の人の脳波とかなり異なるようです。

また実験の結果、サイコパスは人間の感情に影響を与えやすい「愛」や「死」という言葉と「机」や「椅子」のように無機質な印象を与える言葉に対する脳の反応が全く代わらないという特徴があるというデータも残っています。

脳の機能についてはまだまだ謎が多いのも事実ですが、サイコパスは生まれた時から特殊な脳の構造を持っているのかも知れません。

犯罪を犯す年齢

サイコパスでない犯罪者の場合、家庭環境と犯罪に走る年齢には、はっきりとした相関関係があります。

簡単に言うと、家庭に問題があった子供は低い年齢で犯罪に手を染めやすいということです。

しかしサイコパスの場合、育った環境に関係なく中学生くらいの年齢になると犯罪に走る傾向(統計に用いられたのは裁判で被告になった年齢)にあります。

この事実からも、サイコパスの誕生には遺伝子という生れつきの要素が強く関係していると言えるでしょう。

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